メッシナ海峡大橋の完成予想図(イタリア道路公団提供・共同)

 【ローマ共同】イタリア政府は6日、本土と南部シチリア島をつなぐ鉄道・道路併用橋「メッシナ海峡大橋」の建設計画を承認したと発表した。完成すれば世界最長のつり橋になる。イタリアの建設会社「ウィービルド」によると、同社が主導する共同事業体に日本のIHIも参画する。

 建設費用は推定135億ユーロ(約2兆3千億円)で、2032〜33年ごろの完成を目指すという。つり橋の規模を示す主塔間の長さは約3300メートルに達する。

 橋の建設を巡っては50年以上前に最初の計画が持ち上がってから、何度も承認と中止を繰り返してきた。22年10月に誕生したメローニ政権が事業計画の復活を目指していた。

 サルビーニ副首相兼インフラ・運輸相が6日の記者会見で計画承認を発表し、イタリア南部とシチリアの「発展を促進する」と経済効果を強調した。ただ、計画を巡っては安全面や周辺環境への影響を懸念する声も上がっている。