【マニラ共同】フィリピン上院は6日、ドゥテルテ前大統領の長女、サラ副大統領に対する弾劾訴追の凍結を賛成多数で決定した。最高裁が7月に弾劾訴追は違憲だと判断していた。弾劾裁判所は活動停止となり、サラ氏は罷免される可能性がなくなった。マルコス大統領との対立が続く中、影響力拡大を目指すドゥテルテ陣営にとって弾みとなりそうだ。
弾劾凍結は賛成19、反対4、棄権1だった。サラ氏に接近するマルコス氏の姉アイミー上院議員も賛成を投じた。
サラ氏は2月、マルコス氏に報復する「殺し屋を雇った」との発言や機密費乱用疑惑を受け、下院に弾劾訴追された。しかし、最高裁は直近にあったサラ氏への弾劾訴追の告発に下院が複数回、対応しなかったとして「同一人物への1年間に2回以上の弾劾手続き開始は不可」との憲法規定に反すると判断した。