東京大や山口大などの研究チームは7日、岡山県で採取された翡翠の中から黒緑色の新鉱物を発見し、日本神話の天照大神にちなんで「アマテラス石」と命名したと発表した。既知の鉱物とは化学組成や結晶構造が明確に違っており、国際鉱物学連合に新鉱物として正式に承認された。
新鉱物は、ストロンチウムやチタン、ケイ素、酸素、水素、塩素が主成分。一方が現れる時は他方は隠れる特異な「二面性」の結晶構造を持つという。チームは岡山県の大佐山地域で採取された翡翠に少量含まれる鉱物に注目し、大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県)や山口大の解析装置で構造を詳しく調べた。
翡翠は古代から装飾品などに使われ、日本の石文化を象徴するとして、日本鉱物科学会に「国石」に選定されている。天照大神も日本を象徴する存在だとして命名につながった。