記者会見するトランプ米大統領=5日、ワシントン(AP=共同)

 【ワシントン共同】トランプ米大統領は11日、ホワイトハウスで記者会見し、首都ワシントンの犯罪対策を強化するため約800人の州兵を投入し、警察を連邦政府の指揮下に置くと表明した。街頭犯罪が多発して治安が悪化しているとし「緊急事態」を宣言した。

 共和党のトランプ氏はこれまで、野党民主党のバウザー市長がトップを務めるワシントンを連邦政府が統治するべきだと主張してきた。会見では「首都を取り戻す」と述べ、ワシントンの自治権に対する介入を強めた。

 トランプ氏は必要に応じ、州兵に加え、米軍部隊を派遣する考えを示した。治安維持を目的とし、中西部シカゴなど別の都市への州兵展開も排除しなかった。

 米メディアによると、大統領は緊急事態の際にワシントンの警察を連邦政府の指揮下に編入し、その期間を30日まで延長することができる。緊急事態の期間をさらに延長するには上下両院の可決が必要。ホワイトハウス当局者は警察を指揮下に置く今回の措置は30日間を見込んでいるとした。