【ベルリン共同】ドイツの韓国系市民団体「コリア協議会」のハン会長は14日、ベルリン市ミッテ区の公有地にある従軍慰安婦の被害を象徴する少女像について、区が求める私有地への移設は「受け入れられない」との立場を強調し、拒否する考えを表明した。ミッテ区は9月末に公有地から撤去するよう求めているが、実現するかどうか不透明になった。
ハン氏は、第2次大戦終戦から15日で80年となるのを前に少女像前で開かれた集会で演説し「性的な暴力の象徴であるこの像が、公の場所から撤去されるのを防ぐのがわれわれの使命だ」と訴えた。韓国人や日本人、ドイツ人ら約100人が少女像に献花するなどした。
少女像はコリア協議会が2020年に設置した。日本側は22年、岸田文雄首相が来日したドイツのショルツ首相に撤去に向けた協力を要請。ミッテ区は24年9月、翌月末までの撤去を命令した。
コリア協議会が命令差し止めを求める仮処分を申し立て、今年4月の裁判所の決定で9月28日までの存続が認められた。ミッテ区は7月、私有地を代替地とする方針を示した。