長崎市で開かれた集会で思いを述べる田添真菜さん=15日午前
 戦没者追悼式で若い世代を代表して献花する遺族ら=15日午前、松山市

 戦後80年を迎えた15日は各地で戦争の記憶を伝え、犠牲者を追悼する催しが開かれた。戦争体験者が少なくなる中、思いを受け継ぐ中高生ら若い世代も参加し、非戦への誓いを力強く語った。

 「何一つ孝行もできず死ぬのは残念ですがどうかお許しください」。鹿児島県南さつま市の万世特攻平和祈念館で、特攻隊員らの手紙を高校生が読み上げると、会場の人々は静かに聞き入った。朗読した町田あおいさん(15)は「今も世界で争いが絶えないが、戦争は絶対にしてはいけないと伝えたい」と話した。

 長崎市では原爆の爆心地近くで、若者ら約30人が世界中の戦争の犠牲者へ黙とうした。被爆3世の高校1年田添真菜さん(16)は「何げない日常を送れるのは、先人の努力があってこそだ。思いを継いでいく」と力を込めた。

 松山市の戦没者追悼式では遺族らが哀悼の意をささげた。曽祖父がインドネシアで戦死した中学1年高橋柚花さん(13)が若い世代を代表して献花。報道陣に「戦争でどういうことがあったか、これまで以上に学んでいきたい」と語った。