全国戦没者追悼式で式辞を述べる石破首相=15日午前11時55分、東京・日本武道館

 石破茂首相は戦後80年の節目に当たる15日、閣議決定する首相談話を出さなかった。1995年の村山富市首相の戦後50年以降、2005年の小泉純一郎首相、15年の安倍晋三首相と10年ごとに行ってきた首相談話の発表が途切れた。石破首相は先の大戦検証を踏まえ、閣議決定しない形式での自身の見解表明に意欲的で、引き続き発表時期を模索している。

 首相は15日、政府主催の全国戦没者追悼式の式辞で「進む道を二度と間違えない。あの戦争の反省と教訓を、今深く改めて胸に刻まねばならない」と述べた。「不戦に対する決然たる誓いを世代を超えて継承する」とも強調した。

 「反省」「不戦」の文言を盛り込んだのは、民主党政権だった12年の野田佳彦首相以来、13年ぶり。首相は6日の広島、9日の長崎での式典あいさつも念頭に置き、自身の見解を作成する考えだ。6日の記者会見では「どうすれば戦争が起こらないのかということを50年、60年、70年談話を踏まえた上で考えていきたい」と語った。