戦時中に殺処分されたライオンの剥製=9日、大阪市の天王寺動物園

 大阪市の天王寺動物園で、戦時中に動物が殺処分されるなどした歴史を伝える企画展「戦時中の動物園」が開かれている。担当者は「戦争の悲惨さや命の尊さについて考えてほしい」としている。31日まで。

 同園は日本で3番目に古く、1915年の開園から110周年を迎えた。戦時中の43〜44年、「空襲でおりが壊されて逃げ出す危険がある」などの理由で、ライオン、ホッキョクグマやシマハイエナなど10種26頭が殺処分された。この悲劇を伝えようと企画展を2006年から実施しており、今年で20回目となった。

 企画展では、毒入りの餌で殺されたトラやライオンなど5頭の剥製が並ぶ。