【ロンドン共同】スウェーデン北部の北極圏にある鉱業都市キルナで19日、市の象徴として親しまれている教会を2日間かけて建物ごとトレーラーに載せて移転する作業が始まった。キルナの地下には世界最大級の鉄鉱石の鉱床がある。長年の採掘で地盤沈下の恐れがあり、2004年から市中心部の大規模な移設計画が始まった。
キルナは面積約2万平方キロで、人口は約2万人。国営鉱業会社LKABが20世紀初頭から鉱山開発を進め、鉱業都市として栄えてきた。23年には欧州最大規模のレアアース(希土類)の鉱床も見つかった。
採掘が進むにつれて地盤への影響が深刻となり、開発を続けるために陥没の危険がある市中心部の施設などを東に約3キロ移転する計画が進んでいる。LKABによると、移転対象は約3千戸の約6千人。
今回移転するキルナ教会は1912年に建設され、幅約40メートル、重さ600トン以上。トレーラーで約5キロ離れた場所まで搬送する。移動ルートの道路は事前に拡幅工事をした。