2025年夏の甲子園ベスト4の礎を築いた県岐阜商前監督の鍛治舎巧さん。「No.1への道」と題し、アマチュア球界の第1人者である名将がチームづくり、選手育成、戦略・戦術のすべてをあますところなく公開する。

第3節 習熟期(3年)

3 ピークパフォーマンスを目指したメンタルトレーニング

(3)集中力を高める=後編=

●…合気道家=藤平光一先生に学んだ『氣の研究』…●

 『氣は無限大。誰にでも出せる。出せば出すほど、新たな氣が入ってくる。人間の心と身体のなかには、じつは信じられないような「氣」というパワーが秘められている。この氣の存在を知り活用すれば、2、3倍どころか、10倍の力が出せる。人の最高の能力を発揮できるようにすること、それが氣を出すことなのである』。合氣道最高段位十段藤平光一先生のことばだ。

 藤平光一先生の教えは、王貞治さんの押しても引いても微動だにしない一本足打法の大きな支えとなった。

 合気道で円運動は極めて重要だ。野球と似ていて応用が効く。だから広岡達朗さん、王さん、藤田元司さんさん等々が率先して学んだ。

 その心身統一四大原則は、

①ヘソ下丹田に心を静める
②リラックス=脱力、私が口ぐせのように選手たちに造語『脱力の力』と言ってきた要因がこれだ。
③重心を最下部に置く
④氣を出す

 これを呼吸法で全身に酸素を行き渡らせることで生命力そのものを高めるというのが藤平先生の教えの概略だ。この呼吸法は、病気を治す効果も効用として入れることが出来る優れたものだ。

 ◇感情のコントロールを図り、静かに闘志を沸き立たせ、徐々に意欲と執念を高めて高度な集中力を発揮するにはどうしたら良いか。

 松下電器野球部監督時代、チームを三つに分けて、...