長良川鵜飼の踊り子デビューに向け、芸を磨く植田有紀さん=岐阜市上材木町、鵜飼観覧船待合所

 岐阜市の長良川鵜飼の踊り子に、コロナ禍で岐阜県にIターンした女性が挑戦している。横浜市で書道やダンスの講師をしていた植田有紀さん(36)。新型コロナウイルス感染拡大の影響で仕事が少なくなり、自分を見つめ直す中で岐阜の工芸や文化に興味を深め、夫と共に美濃加茂市へ移住を決めた。「岐阜の伝統に触れて感動できるものを見つけたい」と、来月11日の鵜飼開きでのデビューを目指して日々芸を磨いている。

 横浜で生まれ育ち、高校のダンス講師や書道の講師などをしていたが、2年前の新型コロナウイルス感染拡大で活動が大幅に縮小。だが、自粛生活を生かして書道の成り立ちなどを学ぶうちに美濃和紙に出合い、岐阜の文化に対する関心を高めた。

 同じ時期に、愛好する喜劇王チャップリンが長良川鵜飼に感銘を受けたことを知り、ますます岐阜に興味を持った。鵜飼に携わりたいとの思いを強め、踊り子を志望。3月のリモート面接を経て合格した。

 美濃加茂市に引っ越したのは4月。現在は、岐阜市の鵜飼観覧船待合所まで電車とバスを乗り継いで週3回程度通い、「長良川艶歌」「信長音頭」などを稽古している。踊り子は、鵜飼の前に踊りを披露して鵜飼ムードを盛り上げる。植田さんは「地域の出会いを大切にして、岐阜の伝統を感じていきたい」と目を輝かせている。

 書道歴15年で、元ダンス講師の植田さんは、指先まで意識して踊る繊細な表現力があり、周囲も期待を寄せている。指導している杉山寿生(としき)さん(48)は「長く続けて、鵜飼の華になってほしい」とエールを送る。