◆岐阜県輪之内町

 1622(元和(げんな)8)年の開発地とされています。江戸期から1897(明治30)年は村名で、以降は大字(あざ)となりました。

 中部地方整備局揖斐川第二出張所が公開している「『水』に関わる地名の由来について・輪之内町編」は、海松が古語では海草の名であることから「海苔(のり)に関連して名付けられたと考えられます」としています。また、海松新田の南部を流れる大榑川(おおぐれがわ)堤に松の大木があり、「川を往来する船頭たちは、海から見える大松として『海松』と呼ぶようになった」とも紹介しています。かつては、周辺が伊勢湾の入り江だったとみられることを示しているのです。

 輪之内町には他にも、海が由来と考えられる「塩喰(しおばみ)」や「南波(なんば)」といった地名があります。このうち南波は、何と町の北部に位置しています。北側の陸地から見ると、南の波打ち際だったと考えられています。

【答え】みるしんでん