10R「能登のために復興応援ありがとう賞」でサイアンドコーに騎乗し、6Rに続き重賞2勝目を飾った望月洵輝騎手

 ダート競馬の祭典JBCに参戦した名古屋の望月洵輝騎手とオグリキャップ記念優勝馬のケイズレーヴ(牡4歳、榎屋充厩舎)を追い掛けて、金沢競馬場にやってきた。秋晴れに恵まれてスタンド、パドック、飲食店一帯は多くのファンで埋まり、お祭りムードが高まっていた。

 金沢では5年ぶり3回目のJBC開催。今回は「能登復興」がテーマとなり、能登半島地震・豪雨災害の被災者50人が招待された。JBC3競走の前後には能登復興を願い、応援する重賞2競走も実施された。

 望月騎手は「能登復興」重賞で2勝を挙げ、今年の金沢重賞9勝目。2021年に金沢重賞10勝をマークした吉原寛人騎手超えまで「あと1勝」に迫った。吉原騎手は史上初の「全14場重賞制覇」を果たすなど「さすらいの重賞ハンター」として全国を駆け回る地方競馬のトップスター。他場での期間限定騎乗が増えてホーム不在も多く、望月騎手が名古屋からの遠征で新たな金沢の名手として急成長。JBCスプリントでは、ケイズレーヴとの初コンビで上がり3F最速、驚異の追い込みで5着に突っ込んだ。

 デビュー3年目の望月騎手は愛知県豊橋市出身の20歳。「もっちー」「じゅんき」の愛称でファンに親しまれ、輝きを増し続けている。東海優駿を18歳で制覇し、地方競馬最速の通算500勝も達成。記録を次々と塗り替える「名古屋のプリンス」。重賞5レースが行われたJBCデー午後の6時間に密着した。

JBCスプリントや「能登復興」重賞に向けて闘志を燃やす望月騎手

 ■望月騎手「JBC以外の重賞二つを勝ちたいですね」

 12時40分。望月騎手は最初の重賞レース前、取材陣に「ケイズレーヴはどうですか」と聞かれ、目標は「5着」と即答。この後の結果をドンピシャで予測していたのだ。まずは地方馬最先着を目指して、やや重でも「前残りという感じはしない。ちょっと流れたら後ろからでも来るかな」と分析。

 出走するJBCスプリントには凱旋門を2度制覇したクリスチャン・デムーロ騎手をはじめ、戸崎圭太、吉原寛人騎手ら豪華なジョッキーがそろい、望月騎手は「(自分は)実績的には最下級です」とチャレンジに燃えていた。「ケイズレーヴのレースは意外と気が楽なんです。印が付いていないから」。専門紙は完全な無印ではないが「穴候補」の扱い。「JBC以外の重賞二つを勝ちたいですね」と◎印がある6、10Rでは必勝態勢で臨む構えだ。

 ケイズレーヴには初騎乗だが、どんなイメージか。「しまいはすごく切れるけど、前半から勝負どころまでどれだけじっとできるか。しまい勝負で頑張りたい」と意欲。オグリキャップ記念Ⅴや中央重賞で騎乗した渡辺竜也騎手には特に聞いてはいなかったそうだが「(主戦の)吉原さんに聞いてみます」と掲示板を目指して本番に備えた。ケイズレーヴでオーバルスプリント(浦和)3着だった吉原騎手もJBCスプリントに参戦していた。8R後には門別でJBC2歳優駿もあり、渡辺竜也騎手がイケメンモンスター(北海道)で挑戦した。 

能登復興祈念重賞「かがやきスプリント」でスターキャンディに騎乗し、1着ゴールを決めた望月騎手

 ■かがやきスプリント、最強コンビで重賞3連勝

 13時45分。6Rは能登復興祈念重賞「第1回かがやきスプリント」(MRO金賞TR)。塚本征吾騎手がディープエフェクトで逃げ、望月騎手のスターキャンディ(牝3歳、金田一昌厩舎)が3~4コーナーで先頭を奪って押し切り。最強コンビで重賞3連勝。筒井勇介騎手も参戦しており5着。塚本騎手は9着、加藤聡一騎手は10着だった。

かがやきスプリント優勝で「夢は大きく、重賞を全部勝ちたい」と意欲を示す望月騎手

 表彰台に上がった望月騎手はJBCの華やかな雰囲気の中で「これだけたくさんのお客さんがいてくれて、勝つことができて気持ちいいです。先行争いが激しかったですが、自信を持って乗り、頑張ってくれました」。JBCスプリントの騎乗もあり「夢は大きく、自分では重賞を全部勝ちたいなと思って来ているので、応援よろしくお願いします」と意欲を示し大きな拍手を浴びると、ファンが求めるサインにも快く応じていた。

かがやきスプリントを制覇したスターキャンディと喜びの関係者

 ■「ミルファームさんとの金沢での相性もいい」

 さらに囲み取材で勝った馬について「ハナに行けたらいいなと。外の馬が速かったので嫌な展開でしたが、切り返して何とか残ってくれるかなと」。金沢重賞で今年8勝目。なぜそんなに勝てるのか。「(勝つための)コツはそんなに感じていないですが、いい馬に乗せてもらっているのもありますし、(馬主の)ミルファームさんとの金沢での相性がいいのかもしれないです(今年重賞6勝目)」と遠征先の重賞レースでも「自分の庭」のように勝利を連発している。
 
 スタンドのファンは「じゅんき来ましたねえ。さすが1番人気ですよ。ケイズレーヴの単勝を買っているので勝ってほしい」と応援。パドックの周囲は超満員でJBCの熱気が充満していた。

7Rの本馬場入場では宮下瞳元騎手が誘導馬騎手としてドレス姿で各馬を先導した

 ■宮下瞳元騎手がドレス姿で誘導馬に騎乗、ファン熱い視線

 14時15分。7RのJBCレディスクラシックの本馬場入場では、女性ジョッキーのレジェンドである宮下瞳元騎手(現名古屋競馬調教師)が誘導馬騎手としてゴージャスなドレス姿で各馬をゆっくりと先導した。「喜んで引き受けましたがドキドキです」と初挑戦。美しく気品あふれる騎乗ぶりに、スタンド一帯を埋めたファンたちは熱い視線を降り注いだ。ゴール前のスタンドで最もお客さんが多かったのがレディスクラシック。宮下さんはJBC3競走で誘導馬に騎乗し、華麗に盛り上げた。
 
 JBCレディスクラシック(1500メートル)は4番人気アンズアメ(牝4歳、高柳大輔厩舎)が3コーナーで先頭に立ち、そのまま押し切った。川田将雅騎手は「本当にたくさんのお客さんがいて、素晴らしい雰囲気だなと。距離に不安がありましたが、1500メートルをちゃんとこなしてくれてとても希望の広がる結果でした」と晴れやか。田口貫太騎手が騎乗した昨年のJBC2歳優駿優勝馬タマモフリージアは末脚不発で7着に終わった。

JBCスプリントで猛追、5着に突っ込んだ望月騎手騎乗のケイズレーヴ(1)

 ■JBCスプリント制覇で「金沢・吉原寛人、ここにあり」

 15時10分。続くJBCスプリント(1400メートル)には秋のダート短距離王を狙う12頭が参戦した。先行勢がつぶれ、差し馬向きの展開となった。吉原寛人騎手が騎乗した2番人気メイショウハチロー(牡4歳、福永祐一厩舎)は出遅れたが、末脚鋭く差し切り勝ち。「金沢・吉原寛人、ここにあり」と実況も力を込めた。2年前のJBCクラシック覇者のウィルソンテソーロが2着、オークスをジュウリョクピエロで制した寺島良厩舎のハッピーマンが3着で続いた。

 JBCスプリントでは2007年、笠松競馬出身の芦毛馬フジノウェーブ(大井)が地方所属馬としてJBC初優勝を飾った。11年にはラブミーチャンが4着に粘り込んでおり、笠松勢にとっても縁の深いレース。

 ■ケイズレーヴ最後方から鬼脚、3着争いに突っ込んだ

 東海勢の希望の星として注目していたのがケイズレーヴ。調教では新馬戦から3勝を挙げた木之前葵騎手が最終追い切り。馬なりでまずまずの動き。専門紙の印は薄く、単勝9番人気(119.1倍)。望月洵輝騎手とは初コンビ。向正面ではポツンと1頭、先頭から15馬身ほど離された最後方から末脚に懸けた。3~4コーナーでもまだ「離れたのは1番ケイズレーヴ」とレース実況。

じっくりと脚をためて、最後方から進むケイズレーヴ

 絶望的な位置に見えたがこれも作戦通り。「行けー」などと声援が飛び交う場内は推し馬応援で沸騰。ケイズレーヴは驚異的な鬼脚で大外を一気に飛んできて、最後の直線だけで3着争い(アタマ、クビ差)に突っ込んだ。馬券圏内にはあと一歩届かず5着。笹川翼騎手騎乗のゼーロス(大井)が4着で地方馬最先着となった。

 ■「瞬間移動」でごぼう抜き、上がり3Fは勝ち馬より1秒3も速かった

 ケイズレーヴは勝ち馬メイショウハチローには0秒7及ばなかったが、最後の直線はライブ映像には映らないような位置からド派手なパフォーマンス。上がり3Fはメンバー最速でオグリキャップ記念と同じ35秒3。メイショウハチローの36秒6より1秒3も速く、ゴール前では「瞬間移動」で7頭をごぼう抜き。3着に届こうかという勢い。想像以上の激走に関係者や地方競馬ファンも大興奮となった。
 
 まだ4歳の牡馬。JRA重賞の小倉記念、中京記念を渡辺竜也騎手の騎乗で連戦。ともに12着に終わったが、中京記念は勝ち馬と0秒9差。続くオーバルスプリント(浦和)では3着。ダートグレードは3度目挑戦となったが全て掲示板を確保した。オグリキャップ記念Ⅴの得意コース笠松では重賞3勝。ネクストスター中日本、ぎふ清流Cも制している。

JBCスプリントを制覇し、にこやかな吉原寛人騎手とメイショウハチローを管理する福永祐一調教師

 ■吉原騎手を福永祐一調教師が笑顔で出迎え

 勝利を飾った地元・金沢の吉原寛人騎手とメイショウハチローが1着の枠場に入ると福永祐一調教師らがお出迎え。笑顔があふれ「良かったな、出遅れたのに」「おめでとうございます」と関係者の祝福を受けた。吉原騎手は表彰台で「(勝利した気持ちについて)震えますね。スッとマテンロウコマンドに並びかけて、そこから勝負だなと。手応えが良かったので、しっかり最後まで伸びてくれた。地元金沢開催で満員のお客さまの中でこうして表彰台に立てることができて、本当にうれしいです。能登の復興のこともありますので、またぜひ石川県そして能登を元気にしていきたいので、皆さんもよろしくお願いします」と能登復興への熱い思いも語った。

JBCスプリント5着のケイズレーヴ&望月騎手を笑顔で迎える榎屋充調教師(右)

 ■望月騎手「しまい勝負、思い通りの競馬はできた」

 望月騎手はケイズレーヴとのレース後「しまい勝負に徹して、上がりでどこまで来るかという競馬をしようと、思い通りの競馬はできました。(3着争いで)着差が着差だけに、5着でしたがもう少しで3着でしたし、ちょっと悔しいです。あれだけの脚を使ってくれましたし、今までレースをずっと見ていて、すごい脚だというのは分かっていた。自分でまたがってみると気持ちのいいくらいの脚色なので、この鋭さがこの馬の武器で、このメンバーでも戦えるなという印象を受けました」と振り返った。

 調教でまたがって、すごくバネがある馬だと感じていた。「実戦でも思った通りのバネの良さで、四角でもうまい具合にさばけた。うまく行けて5着まで来たから、まあ力を出し切ったかなあと。攻め馬と違ってレースだと、返し馬から気が入るから、ハミは真っすぐかんでくれていた」。向正面ではかなり離されていたが「レース前から勝負どころまで、いじらないと決めていたんで、焦らず割り切って乗ってました。あれだけ離されていると追い掛けたくなりますが」。

 ■「あの乗り方しかない」「うれしいわ、この活躍」

 上がり最速の末脚で「あとからは、もうちょい早く動いておけばとも思いますが、それは前半捨てているから、あの脚があると思います」。やや重の馬場状態については「芝を使っているし、軽い馬場でもこなし、マイナス要素ではなかったと」。取材陣からは「あの乗り方しかない。左よりも右回りの方が組み立てやすい。最後、見せ場があって良かった」といった声。快速馬ぞろいのレースで「掲示板」に突っ込み、関係者は「うれしいわ、この活躍」と最後の豪脚をたたえていた。

返し馬で本馬場入りするケイズレーヴと望月騎手

 注目したJBCスプリントは、JRA勢が上位人気を占め、複勝馬券でケイズレーヴを応援していたがあと一歩、圏内には届かなかった。それでも5着賞金は800万円。通常の地方重賞優勝賞金並みで、馬がよく頑張ってくれた。

 ■「すごいジョッキーが乗ってからの僕だったんで」とプレッシャーも

 ケイズレーヴには初騎乗だったが、JBCスプリントで潜在能力を引き出せたのか。「レース前は、すごいジョッキーが乗ってからの僕だったんで、大丈夫かなあと思ったんですけど。竜也さん、吉原さんで結果が出た後の僕でしたので」と少しプレッシャーも感じていた。それでも望月騎手も金沢じゃ名人だし。本人も「金沢だけはすごく相性いいですね。9勝かなあ」と。この時点で重賞はまだ8勝だったが、10Rも勝つつもりで計算に入っていたようだ。

 「地元(名古屋)じゃ全然ですけど」と確かに名古屋では昨年9月の秋桜賞以来1年以上も重賞勝利がない。JBCスプリントは5着以上を狙ってその通りになった。関係者からは「ジョッキーは馬主さんに乗せてもらっているという気持ちがあれば、どこまでも伸びるよ」とも言われ、関係者の信頼度も増した望月騎手は金沢重賞で好結果を出し続けている。

ケイズレーヴとは初コンビの望月騎手と管理する榎屋充調教師(左)

 ■榎屋調教師「ジワッと行けばうまく回れる。良かったし面白かった」

 5着の枠場に入ったケイズレーヴと望月騎手を笑顔で迎えた榎屋満調教師。ケイズレーヴのレースを振り返って「(先頭から)結構置かれていたんでそのままかと思ったが。こういうレースを使うと、あの馬はああなりますからね。笠松の重賞レースでも(前半は)しんがりからになっちゃう。仕掛けて行くとガーンとなって1コーナーの入りがおかしくなっちゃうんで。ジワッと行けばうまく回れるから」。3~4コーナーでぐっと来た。最後は3着もあるような追い込みで「良かったです。悔しさもあるが、面白かった。(3着とは)時計差がなかったし」。

 望月騎手は初騎乗だったが「レースを何回も見てるでしょうし、器用な馬じゃないので」とやはり最後方からの競馬になった。今回、望月騎手に騎乗を依頼したのは「オーナーさんの意向で。渡辺騎手もあっち(門別)に行っているので」。吉原騎手もこっち(金沢)で乗っているし。メイショウハチローで「(吉原騎手は)勝てたから良かったです。出遅れたけど」。

 ケイズレーヴの次走は暮れの兵庫ゴールドトロフィー(昨年5着)を予定。笠松でも走るとしたら「来年のオグリキャップ記念とかしか出られるレースがないから」とも。中央重賞の芝レースも経験しており、東海公営では夢広がる大器。まだ4歳、ダートグレードでの勝利を期待したい。

 ■JBC2歳優駿で岐阜市出身の小栗実調教師が重賞初勝利、渡辺竜也騎手は7着

 15時40分。門別で行われたJBC2歳優駿では、吉村誠之助騎手騎乗の1番人気オーリエイト(牡2歳、小栗実厩舎)が最後の直線で抜け出し、追い上げてきたマルカルーカスにアタマ差で1着ゴール。岐阜市出身の小栗実調教師(栗東)は開業4年目で待望の重賞初勝利を挙げた。

 JBC初挑戦の渡辺竜也騎手は4番人気イケメンモンスター(牡2歳、米川昇厩舎)に騎乗。前走サンライズカップで重賞勝ち、地方勢では最も人気を集めた。3~4コーナーで2番手集団につけていたが、最後の直線で伸び切れずに7着に終わった。JRA勢3頭が上位を独占した厳しい流れで、外枠から脚をためることができなかった。

アウトレンジでJBCクラシックを制覇した松山弘平騎手

 ■JBCクラシック、松山弘平騎手がアウトレンジで制覇

 16時25分。JBCクラシックは1番人気のアウトレンジ(牡6歳、大久保龍志厩舎)が4コーナーで先頭を奪い、4馬身差で圧勝した。松山弘平騎手は2022年のテーオーケインズ以来、4年ぶり2度目の勝利。吉原寛人騎手騎乗のセラフィックコール(川崎)が3着。地方馬としてこの日のJBC4競走唯一の馬券圏内入りを果たした。

 松山騎手は「本当にうれしい気持ちです。追ってからはいい脚で伸びて、4馬身離して強い競馬をしてくれた。結果を出せず、すごく悔しい思いをしていたが、アウトレンジが最後にプレゼントしてくれた」と歓喜に浸った。

ゴールドギアでJBCクラシックに挑んだ木之前葵騎手

 ■木之前葵騎手騎乗の11歳馬ゴールドギアも健闘

 ケイズレーヴの榎屋厩舎からはゴールドギア(牡11歳)も出走した。笠松では昨秋、新設重賞のレジェンドハンター記念を制覇するなど2000メートル前後の距離に適性。自己条件で勝負できるレースが少ないこともあって、2100メートルのJBCクラシックに木之前葵騎手の騎乗で参戦した。健闘したが、さすがにこのメンバーでは後方のままで12着に終わった。木之前騎手はダートグレード競走では2016年のジャパンダートダービーに、名古屋のカツゲキキトキトとのコンビで初騎乗し6着と頑張った。

「能登のために復興応援ありがとう賞」を制し、「大舞台で乗せていただきありがたい」と喜びを語る望月騎手

 ■望月騎手「能登のために復興応援ありがとう賞」で重賞1日2勝目

 17時20分。ナイターとなった10R「能登のために復興応援ありがとう賞」は望月騎手騎乗のサイアンドコー(セン馬6歳、金田一昌厩舎)が2番手から同厩舎のマリンデュンデュンを追ってじわじわと迫り「最高」の走りで3馬身差で差し切り勝ち。JBC前後の能登復興応援の2重賞で望月騎手が2勝を挙げて、復興に向けて力強くアピールした。

 2度目の表彰台となったが、最初に「さっきよりお客さん減ったのでは。でも中にいるということにして」とファンの笑いを誘った。「状態はすごくいいと聞いていて、砂をかぶらず道中もいい感じでした。しまいもしっかりした馬で、早めに追ってかわしてくれるだろうと」。「目標は(三つ)勝つこと」だったが、さすがにJBCスプリントは勝てなかった。「こういう大舞台で乗せていただきありがたい気持ちが大きいです」と感謝の思いを伝えた。

「能登のために復興応援ありがとう賞」を勝ったサイアンドコーと喜びの関係者

 望月騎手の金沢での今年の重賞成績は15戦して9勝、2着2回。勝率60%、連対率73%、単勝回収率290%と驚異的な数字をたたき出している。表彰式後、サインを求めるファンたちに丁寧にペンを走らせて手渡すと、金沢での重賞キラーに「天才やは。また来てもらわないと。大好き望月君」とべた褒めだった。 

サインを求めるファンと交流する望月騎手

 ■入場者1万1000人超え、馬券販売額は57億円を突破し過去最高

 東海公営(笠松、名古屋競馬)では渡辺竜也、塚本征吾、望月洵輝の3強ジョッキーを中心に20代がエネルギーを爆発させ、フル稼働で地殻変動。笠松、名古屋間の相互交流が活発になっているほか、土日も騎乗依頼があれば、全国を駆け回り重賞を勝ちまくる「優勝請負人」として馬主、調教師の信頼を高めている。

 18時30分。最終12Rが発走。望月騎手は3番人気ドライヴトウショウで7着。東海勢も参戦し、塚本騎手が3着、筒井騎手は9着。地方、中央馬が激突したJBCデーの熱戦が完走となった。

 秋晴れの金沢競馬場では入場者1万1000人超え、馬券販売額は57億円を突破し過去最高。JBCクラシックや能登復興応援など重賞5競走の熱いドラマに沸き、宮下瞳調教師が誘導馬騎手を務めるなど華麗な演出もあり、ライブ会場として盛り上がった。

JBC開催で盛り上がった金沢競馬場。パドックに大勢のファンが詰め掛けた

 ■来年のオグリキャップ記念は「JRAオープン競走」、ケイズレーヴは連覇目指し参戦も

 地方、中央の垣根を超越して駆け抜けたオグリキャップの功績をたたえるためにも「いつか笠松競馬場でもJBC開催を」との思いを強くした一日だった。

 来年のオグリキャップ記念は「JRAオープン競走」として5月27日に開催される。地方・JRA勢が激突するダートグレード競走復帰に前進した。JBCデーとまではいかないが、JRAの騎手と出走馬のメンバー次第では数千人から1万人超規模の来場者になるかも。JBCスプリントと同距離の1400メートル戦で、地方からは今年の覇者ケイズレーヴは連覇を狙っての参戦も見込め、大いに盛り上がりそうだ。


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 林秀行(ハヤヒデ)著、A5判カラー、182ページ、1500円(税込み)。岐阜新聞社発行。ふらっと笠松(名鉄笠松駅)、笠松町歴史未来館、ホース・ファクトリー(ネットショップ)、酒の浪漫亭(同)、岐阜市内・近郊の書店、岐阜新聞社出版室などで発売。岐阜県笠松町のふるさと納税・返礼品。