還元性スラリーについて説明する桂川一彦社長=関市中之保、桂鉱社

 アサヒグループホールディングス(HD、東京都)の研究子会社アサヒクオリティーアンドイノベーションズ(茨城県守谷市)と農業資材製造販売の桂鉱社(岐阜県関市)は共同研究で、ビール製造工程で発生する副産物「ビール酵母細胞壁」と鉱物「石英斑岩(せきえいはんがん)」を混ぜ合わせた泥状物質が乳がん細胞を死滅させることを確認した。湿布のような形で患部に接触させる、苦痛を伴わないがん治療法として活用できる可能性があるという。アサヒグループHDは「詳細なメカニズムを解明し、新たながん治療の開発につなげたい」としている。

 アサヒグループHDなどによると、ビール酵母細胞壁は植物の成長や免疫力を高めるとして農業資材(肥料原料)などに活用されている。一方、石英斑岩は粉砕・加工して泥状にすることで酸化を抑える力が高まる。研究では、ビール酵母細胞壁に過熱水蒸気を用いて水熱反応させたものと、粉砕・加工した石英斑岩を混ぜ合わせた「還元性スラリー」を作製。乳がん細胞を培養した樹脂容器の外側に還元性スラリーを入れて3日間放置したところ、乳がん細胞がほぼ死滅した。研究成果は今月、日本抗加齢医学会総会で発表した。

 桂鉱社の桂川一彦社長は「社会貢献として喜んでもらえる人がいれば本望。研究スピードを上げる後押しになれば」と話している。