新聞記事を切り抜いて掲示する例
自宅で新聞を使って学習する小学4年生=山県市内

山県市立伊自良南小教諭 原田結花

 いつのまにか季節は初夏。やっと子供たちの笑顔が学校に戻ってくるかと思うとわくわくします。家庭でご家族の皆さんが一緒に過ごされた時間は、きっと子供たちの成長の糧になっていると思います。お疲れさまでした。

 本年度から小学校に転任しました。そこで新しい生活様式での、楽しく学べる新聞学習を提案していきたいと思います。

 まず、一つ目は「漢字辞典の使い方を新聞を使って練習しよう」です。4年生の国語で、漢字辞典の学習があります。部首索引、音訓索引、総画索引の3種類を使った調べ方を学習します。

 私はステイホーム中、新聞の1面を使って次のように進めました。まず、部首では「にんべん」の漢字を見つけたら丸を打ちます。「あった。ここにもあった」とどんどん見つけていきます。音訓では「自粛」の「ジ」の読み方から、「自」を調べます。「みずから」という訓読みがあることも知り、「自粛」の意味も理解できました。総画索引を「自」の6画で調べました。

 新聞の見出しを自分の力で読むことができるようになることで、社会の動きに関心を持てます。分からない新聞の見出しの語句を、スマートフォンでおうちの方と一緒に引くことでもよい学習になりますよ。

 二つ目のお勧めの学習は、「気になるニュースを集めよう」。小学6年生の国語の学習です。休校中に動画配信授業を行っている学校も多いようです。私は、その中で、「ハッピーニュースを集めよう」と呼びかけました。

 新聞記事の中から、心が温かくなる記事や関心のある記事を集めてコメントを簡単に書くとよいと思います。かわいいイラスト、美しい季節の写真などを、自由にコラージュのように貼り付けてもいいです。自分だけの宝物ノートにしてもいいですね。

 学校の先生方にお勧めなのは、新聞記事を紹介するコーナーを学校のさまざまな場所に設けるということです。最初は教師が始めても、その後は、新聞記事を掲示するのは子供たちの活動にしてもよいと思います。友達や先生が選んだお勧め記事を読む活動が、校内のあちこちで見られる。新しい休み時間の過ごし方にはなりませんか。

 もし、その記事に意見があれば自由に付箋を貼り付ければ、文字情報による会話もできますよ。LINE(ライン)などでなく、新聞記事を使って行うのは、新聞記事には確かな根拠が載っていたり、新しい情報が多角的にあるなど、良い点がたくさんあるからです。投稿欄を読んだり、また意見を投稿することで、広く社会の人々ともつながることができます。

 皆さん、学校が始まりますね。心配ないですよ。きっと大丈夫。新しい学びの中に楽しみを、笑いを一つずつ見つけていきましょうね。