Q.新型コロナウイルスのワクチン接種が10代でも進んでいます。個別接種、集団接種と二つの接種方法があり、学校での集団接種は行われていないようですが、なぜでしょうか。子ども時代に、インフルエンザワクチンを学校集団接種で打った記憶があるのですが。(岐阜市・50代女性)

◆「同調圧力の懸念」「副反応への対応困難」国が推奨せず

A.県感染症対策推進課、県医師会に聞きました。まず、新型コロナワクチンの学校での集団接種については、文部科学省が6月に「現地点では推奨しない」と通知を出しています。理由として▽保護者への説明の機会が乏しくなる▽接種への個々の意向が必ずしも尊重されず、同調圧力を生みがち▽接種後の体調不良へのきめ細やかな対応が難しい-などを挙げています。一方で、医療体制など地域の事情によっては、接種に伴ういじめや差別がないように相談窓口を設けるなど、適切な対策を講じた場合には集団接種が可能としています。

 学校集団接種は、1977年の予防接種法の改正でインフルエンザワクチン接種が小中学生に義務化されたのに伴い、学校で集団接種が行われるようになりました。しかし、中には接種後に重い副反応が発症したケースもあり、国に損害賠償を求める訴訟が起きました。このような背景から、94年の法改正で義務接種から任意接種へと変わりました。同時に、個々の体調に合わせてかかりつけ医などで接種を受ける個別接種が原則となりました。

 新型コロナワクチンでは個別、集団接種が行われていますが、原則は成人が対象です。効率的に接種を進めるのが目的で「集団で個別接種を行っている」という解釈になります。新型コロナワクチンは予防接種法で「努力義務」となっていて、打つ、打たないの選択は国民の意思に委ねられています。