生徒が制作した「全校旅行」のポスターを眺め、成長を実感する井上博詞校長(左)=岐阜市金宝町、草潤中学校

 4月に開校した公立で東海3県初の不登校特例校「草潤中学校」(岐阜市金宝町)の生徒有志が、修学旅行や宿泊学習の代わりとなる「全校旅行」を計画している。同校では学校側が主催する行事はなく、生徒自身が同じ学びやで勉強する仲間と仲良くなろうと発案した。「みんなと思い出を作りたい」。学校へ行くことが大きな一歩だった生徒たちが、新たな挑戦に取り組んでいる。

 同校のコンセプトは「あなたに学校が合わせる」。集団行動が苦手な生徒もいるため、行事は学校ではなく生徒主導で実施している。これまで校内のバレーボール大会やクイズラリーを企画してきた。

 全校旅行は1~3年生の有志15人によるプロジェクトチームが、夏休み前の7月ごろから計画を進めている。有志は全校生徒40人にアンケートを実施。投票や意見を基に、水族館や自然豊かな庭園など、男女とも楽しめるような場所の選定を進めている。11月末ごろに日帰りで予定している。

 9月には「草潤Travel(トラベル)企画」と銘打ったポスターを制作し、掲示した。現地の写真を交えながら候補地の魅力を紹介している。

 企画の中心メンバーの3年女子生徒は前の学校で決められた時間割や行事に苦痛を感じていたといい、「今は何でも自分で決められる。学校に来れば先生や友達が助けてくれる」と話す。前の学校で教員と折り合わず全く登校できなかった3年の男子生徒は「先生がフランクで、学校に対する意識が変わった」と語る。

 教員のサポートは、生徒に助言を求められた時にとどめている。旅行先の候補地のメリットとデメリットを提示し、生徒自身に判断してもらうようにしている。

 開校して約半年。井上博詞校長は生徒の成長を感じているという。「子どもたちから『やってみたい』と言ってくれるのは頼もしい。開校以来の大きな行事を陰から応援したい」と目を細めた。