かつて日本人でにぎわったハワイ・ワイキキのビーチ

 日本の海外旅行が解禁された1970年以後、最も日本人が訪れた保養地はハワイがダントツです。

 太陽と海に囲まれ、亜熱帯に属する大小135島からなる列島の内、ホノルルのあるオアフ島(人口100万人)、カウアイ島、マウイ島、ハワイ島の4島が主な島々で、近隣のモロカイ島、ラナイ島などを合わせると全島で人口は140万人。観光以外、産業と呼べるものはパイナップル以外に見当たりません。

 そのパイナップルの収穫の人手募集に日本から最初に来たのが明治元年の1868年(坂本竜馬が暗殺された次の年)。3年間の契約労働者として横浜から船で来た165人が最初の日本人移民でした。後にハワイ人口の4割を日本人が占め、ハワイ王国の基礎となったと言えます。

 現在は日系人20万人、移民も6、7世代目を数えます。文字通り日本文化も継承され、暮らしの中の古い習慣は「明治が生きている」と表現する人もいます。常夏の夏季は長く3カ月にわたり、神社寺院などで盆踊りも盛ん。日本各地のお盆の歌と浴衣姿で故郷をしのんでいます。

 現在はコロナ禍でアジアの国からは入国規制があり、日本人もPCR検査とワクチン注射済み以外は訪問不可能ですが、つい1年半前までは1日4千人が訪問。どこでも日本語で通じた島もコロナデルタ株に翻弄(ほんろう)され、「日本人が訪れない夏」を体験し寂しい保養地でした。過去33年間の観光案内で岐阜からも多く訪問いただき、岐阜新聞の読者も県全域にわたり在住、私が里帰りの折には各地で声を掛ける機会に恵まれます。ハワイと岐阜がずいぶん近くなった気がします。

 当地に住む岐阜県人は移民の歴史が薄く、同じ岐阜出身を探すのは大変です。ですが「岐阜県ファン」の人は多いので、岐阜土産に歴史や風景の写真などで年1度の懇親会を開いてランチタイムを一緒に楽しんでいます、反対に、ハワイの自然風景の写真と趣味の「心の詩」の書道をJR岐阜駅隣接のハートフルスクエアーGにて2年に1度展示しています。ぜひご鑑賞ください。

 今後とも日本とハワイ両国に住む人同士の仲介役も兼ねて、人生を楽しんでいきたいと考えています。

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◆ハワイ県人会 玉井宏光会長略歴

 たまい・ひろみつ ハワイ岐阜県人会長。岐阜市出身。ロサンゼルスで15年間、旅行社経営。ハワイで33年間、観光案内業。岐阜市の富田学園前で文房具屋を営んでいた。79歳。

▼メッセージ

 元気なうちは、日本とハワイ間を往復して、両国の人にそれぞれの国で生きる良さを伝えたり、日米で知り合った人たちと一緒に人生を楽しみたい。今一番面白く生きがいになってるのは人との交流。SNSで「ハワイの玉ちゃん」日記を発信中。