先週、このコーナーで紹介した高山市久々野町の「長淀」。飛騨川に、流れが緩く青くよどんだ淵があったことから名付けられたとする由来がありました。木賊洞は、何と長淀の北隣にあります。

 長淀は川の流れに由来していますが、木賊洞は地域の植生が元になっていると考えられています。「木賊」は「砥草」とも書かれるトクサ。物や歯を磨く用途などに使われた植物で、生薬としても用いられるそうです。主に湿地に自生し、かつてはこの地域に多く繁茂していたため名付けられたとされています。

 難読の地がただ隣り合っているだけではないようで、長淀と木賊洞は古くから関係がありました。木賊洞の神社にあった木造の神様の行方が分からなくなった際、長淀の神社から木造の薬師如来を譲り受け、木賊洞で守ったという伝え話が残っています。

【答え】とくさぼら