クイーンカップを1着でゴールする園田のハヴアナイスディ(丸野勝虎騎手)。2着は笠松のアペリラルビー(向山牧騎手)
1番人気アペリラルビーと向山牧騎手
ハヴアナイスディで優勝し、ファンにサインをする丸野勝虎騎手
笠松競馬でもラブミーチャンで優勝したことがある福永祐一騎手

 地元の笠松、名古屋勢は追い上げ届かず、園田の伏兵馬が優勝をさらった。

 東海、北陸、近畿の3歳牝馬による重賞レース「クイーンカップ」(SP3)が笠松競馬で行われた。重賞ウイナー5頭の豪華メンバーが参戦したが、園田の7番人気・ハヴアナイスディ(名古屋・丸野勝虎騎手)が、3番手から抜け出して制覇。笠松勢はアペリラルビー(向山牧騎手)が2着に追い込み、3着は名古屋のカツゲキマドンナ(大畑雅章騎手)だった。

 クイーンカップは、中央競馬「秋華賞」へのステップ競走としても実施された。笠松からは、2走前に園田重賞「のじぎく賞」を制覇したアペリラルビー、ライデンリーダー記念Vのイスタナ(藤原幹生騎手)、JRA認定競走勝ち馬のカサマツブライト(佐藤友則騎手)など4頭が出走した。

 地元ファン期待の1番人気アペリラルビーは強烈な末脚が持ち味。前半は後方を進み、3コーナーから追い上げを開始。大外から直線一気の猛追を見せたが、勝ち馬には半馬身届かなかった。園田の重賞Vで期待されたアペリラルビーだったが、地元・笠松では、園田の穴馬に栄冠を譲る形になった。

 笠松のクイーンカップは今年で41回目を迎え、2001年からは東海、北陸、近畿地区交流の重賞競走となっているが、笠松、名古屋以外から優勝馬が出たのは初めて。園田からは、ミスミーチャン(名古屋・岡部誠騎手)も参戦。ラブミーチャンの馬主でもある小林祥晃さんの所有馬で、中央から移籍後は園田で3連勝中だったが、笠松では4着に終わった。

 優勝したハヴアナイスディに騎乗した丸野騎手は、昨年149勝を挙げた名古屋のリーディングジョッキー。思い通りのレース展開で「外枠から他馬を見ながら、馬なりに行けた。直線でも手応えがあって、最後までしっかりと追えた」。アペリラルビーが迫ってきたゴール前でも「脚色が良く、持ちこたえた」と、ハヴアナイスディとの初コンビで重賞を制覇し、馬名の通りに「いい一日」となった。丸野騎手は笠松で今年10勝目と好調だ。

 大井のナイターでは帝王賞(Jpn1)が行われた。帝王賞といえば、笠松時代(1989年)の安藤勝己騎手がフェートノーザンに騎乗して制覇しているが、この日は中央勢が上位を独占した。

 3月の名古屋大賞典(Jpn3)で鮮やかに逃げ切ったケイティブレイブ(福永祐一騎手)は、スタートでまさかの出遅れ。「終わったなと思った」という福永騎手だったが、最後の直線で脅威の末脚を発揮。残り100メートルでアウォーディー(武豊騎手)をかわして1着ゴール。想定外のアクシデントが、意外な幸運を呼ぶこともあるようで新境地を開拓。異次元の強さを見せてくれた。福永騎手は4年前、笠松のオッズパークグランプリにラブミーチャンで参戦し、優勝したこともある。地方・中央交流レースでまた笠松に参戦してほしいものだ。

 7月の笠松開催は、12~14日の3日間のみだが、13日には重賞「サマーカップ」が行われる。名古屋では7月に12日間も開催され、1日からは中央競馬の中京開催もスタート。笠松では、後藤佑耶調教師がデビューした。6月の最終日には兄・後藤正義厩舎から移籍したユメカナウ(東川公則騎手)で5着。まずは初勝利の夢をかなえて、笠松競馬を盛り上げてほしい。