岐阜県瑞浪市の土岐川沿いに江戸期から明治初期まであった村名です。現在は土岐川に架かる国道19号の神箆大橋などに名前が残っています。

 由来は、県の天然記念物にもなっている竹、土岐双生竹(ときそうせいちく)とされています。ヤダケの変種で、幹の太さや節間がそろっていることから、古くは矢の材料として珍重されました。市のホームページでは「神箆」のほか「一鎌箆竹(ひとかまのだけ)」や「箆竹(へらたけ)」と呼ばれているとされています。現在、自生地は大幅に減少しているとのことですが、当地はかつて群生地だったのかもしれません。

 神箆は美濃守護の土岐氏発祥の地とされています。鶴ケ城跡は神箆城とも称され、信長公記によると織田信長も信濃入りの前に宿泊しました。また、「平家物語」の説話で源頼政が妖怪を退治した矢は、当地の土岐双生竹で作ったものとされています。

(「角川日本地名大辞典」などを参照)

【答え】こうの