治水観音像

 長良川と揖斐川に挟まれた安八郡安八町には、川や池、治水や水運に関係した地名が多くあります。町南東部、長良川沿いの「畚場」もその一つ。大森地区の小字でした。

 「畚」は土を運ぶために竹やわらで編んだ「もっこ」や「ふご」と呼ばれる道具です。「畚場」は、この道具を使って川沿いの低湿地を埋め立てた場所だとされています。当地の南隣の小字は「新田」。かつてはこの辺りで盛んに開墾作業が行われ、新たに田畑が造られていったのかもしれません。

 この地は、県の災害史において非常に重要な場所です。1976年9月12日、長良川の堤防がここで決壊し、甚大な被害を出しました。「9・12豪雨災害」です。「畚場」には、犠牲者を慰霊し地域の安全を祈願する治水観音像があり、毎年、安全祈願祭が営まれています。

【答え】ふごうば