薩摩義士の遺徳をしのんで建立された13人の墓。今年で宝暦治水270年となり「280年、300年と顕彰が続いていくように」と願う鷲野善仁会長(左)と矢野年孝前住職=海津市南濃町、円成寺
薩摩藩・島津家の家紋が付いた囲いの上に建つ円成寺の薩摩義士13人の墓
揖斐川(右)と長良川(左)を隔てる油島千本松締切堤=海津市海津町
平田靭負を祭神とする治水神社
工事の進展を願って濁流に身を投げ、人柱になったと伝わる舛屋伊兵衛の墓=安八郡輪之内町、円楽寺

 岐阜県海津市南濃町、揖斐川堤防沿いの円成寺には「薩摩義士13人の墓」がある。島津家の家紋が付いたコンクリートの囲いの上に墓石が「コの字」に並ぶ。江戸中期の木曽三川治水工事「宝暦治水」の犠牲者が弔われている。

 墓石にはそれぞれ名が記されているが、みな下級の“名もなき者”たち。「慣れない気候風土で、...