ニューヨーク県人会のメンバー=米国・ニューヨーク市

 ニューヨーク岐阜県人会は、1987年に現古田肇知事がニューヨークに駐在されているときに設立され、2022年で35年目を迎える。現在会員数は60人前後を推移し、特にコロナ禍前には年次総会などの活動をしていたが、現在は不定期でのオンラインの交流会程度にとどまっている。

 19年、21年にニューヨークにある「Japanese Performing Arts」という団体がニューヨーク市からの援助で日本三大盆踊りを主催し、県人会も協賛。郡上踊りを皆で踊るイベントをマンハッタンの南端からフェリーで少し離れたガバナーズ・アイランドで開催した。

 19年には数千人が訪れ、マンハッタンを望む丘で夕暮れの中「郡上踊り」を行った。22年にも「郡上踊り」を再び協賛開催する。アメリカ人にも気楽に参加できる盆踊りとして好評を得ている。

 22年5月には、在ニューヨーク日本国領事館の主催で初めて行われるジャパンパレードにも「郡上踊り」を紹介しながら参加予定。ニューヨークの「郡上踊り」イベントは今後も継続していくので、コロナ禍が落ち着けば、ぜひ岐阜からも参加していただけたらと思います。

 20年11月には、ニューヨーク岐阜県人会から、岐阜県に「仰げば尊し」の原曲が掲載されている「Song Echo1871」を寄贈した。一橋大学櫻井名誉教授が、100年以上原曲が謎だった原曲掲載本を発見されたのは12年のこと。幸いアメリカにいるメリットを生かし、20年に同じ本を探し出し、手に入れることができた。これを岐阜県立図書館に寄贈し、日本の公共図書館には「岐阜県にしかない」こととなった。故郷の岐阜県に日本で唯一として誇りとなる公共財として寄贈した。

 コロナ禍前までは、毎春岐阜高校の研修旅行グループとの交流会を行ったり、少し前には岐阜県のサポートを受けた夏の「遊学生」の受け入れも行ってきた。コロナ禍の終息を待って、再び交流活動を活発にできることを心より強く望んでいる。

◆ ニューヨーク岐阜県人会長 高橋愛一郎さん略歴 

 たかはし・あいいちろう 岐阜市(京町)出身。岐阜北高卒。日本語教師として渡米。1992年からニューヨークに在住。現地でコンピューター関連のセキュリティーシステム会社を経営。

◆メッセージ

 名水、名泉の多い岐阜の素晴らしさと、人が集まる都市がある岐阜県との両立を目指して発展してもらいたいと心から願ってます。世界に挑戦しようとする気概を持った若い人に期待しています。コロナ後いつでもニューヨーク県人会を訪ねてください。