―昨年を振り返ると。

 10月にドローンの空路開拓や社会実装を手がける各務原市の企業と連携して、同市内で災害時を想定したドローンによる医薬品の配送の実証実験を県内の民間企業で初めて行いました。災害で孤立した地域を想定し、自己注射用のインスリンの見本を2~8度での温度管理が可能な専用の保冷バッグに入れ、ドローンで同市の緑陽中学校から約1・4キロ先の各務原公園まで搬送する実証実験でした。災害で交通網が遮断された際に、人が立ち入れない場所に行けるドローンは有効な配送手段です。出発地点の中学校の生徒たちを集め、ドローンによる医薬品の配送の必要性について話ができたことも大きな収穫でした。

 ―実証実験までの経緯は。

 2~3年前からこの話をいただいており、今後日本に必要とされるノウハウだと思い、実行に踏み切りました。社員からも「実証実験を行うべき」と後押しされました。国への許可取りや周辺住民への説明など実行までにクリアすべき課題が多くて大変でしたが、周囲の力を借りれば、民間でもドローンを活用した運搬作業に貢献できると自信を得られました。今後は実証実験を重ね、平時での活用も視野に入れていきたいです。

 ―地域貢献活動については。

 11月にイオンモール大垣で、当社の薬剤師が子ども向けの職業体験「子ども薬局」を行いました。約100人の子どもたちが集まり、白衣を着て、実際に薬剤師が錠剤などを包装するために使用する自動分包機を体験するなどして大盛況でした。

 ―最後に新年の抱負を。

 地域密着の「かかりつけ薬局」としてきめ細かいサポートを大事に行いながら、今後、需要が増していく在宅医療や、必要なツールとなるドローンによる医薬品の配送の実現などニーズのあるサービスを充実させていきます。