―2024年を振り返ると。
23年産米は市場での流通量が少なかった一方、外食産業で訪日客向けの需要などが増えたため、「令和の米騒動」に発展して業者間の集荷競争が激化しました。当組合も例年並みに在庫を確保していましたが、販売を調整せざるを得ませんでした。米は概算払いといって事前に60キロで幾らという形で農家にお金を支払って集荷します。24年産米も前年の1万2、3千円から引き上げて2万円近い額を提示しても集荷予定数量には達しませんでした。
一方、肥料や資材価格も高止まりしており、農家にとっては適正価格に近づいたのは良いことで、消費者にはご理解を頂きたいと思います。
―米以外の農作物は。
ひるがの高原だいこんや夏秋トマトをはじめ野菜は、他の産地が猛暑や天候の影響を受けたこともあり、高値が付きました。ドライバー不足が懸念される「物流の2024年問題」もあり、遠方の産地より都市部に近いことも有利に働きました。
ただ、物流の合理化は当組合にとっても避けて通れない経営課題です。よって新たな配送体制の構築を目指し、昨年5月にJA全農岐阜と確認書を交わして県内の他のJAとともに、今年10月の開始を目指しています。
―新年度から新たな中期経営計画が始まります。
本年度までの3カ年計画は、農産物の栽培面積の拡大をはじめ、おおむね計画通りに進めることができました。新たな計画は昨年11月の県JA大会で決定した「組合員・地域とともに食と農を支える協同の力の発揮」の基本方針に沿って策定します。昨年7~9月には常勤役員が管内の農家218軒を訪問しており、就農支援の強化といった声を計画に反映して実践していきます。
