―昨年を振り返って。
当社は化粧品原料や機能性食品原料として使用される天然成分の研究開発、製造販売を専門として国内外のユーザーに原料供給をしています。おかげさまで設立65周年を迎え、創業から数えると105年が経ちました。
ようやくコロナの影響も薄れてきましたが、インバウンド需要の伸び悩み、消費者の購買行動の変化もあり、国内業界は全体としてまだまだ回復途上。そのような環境下、国内外の展示会、関係学会では自社開発による二つの新製品を発表、お客さまから高い評価をいただきました。また営業のスタイルも時流に合わせて、メルマガ配信や定期WEBセミナー開催、DX推進にも注力しました。
―今年の目標として。
1996年に開設した東京支店も手狭になり現在移転を計画しています。市場トレンド、消費者嗜好(しこう)の変化が早まる昨今、研究開発の効率化は必須で、社内体制もそれに適応する必要があります。またAI技術も進化し、開発・製造・営業などさまざまな使い方を検討します。今後は戦略的に採用活動を行い、男性育児、女性活躍、定年延長も視野に人材育成を考えていきます。
設備投資に関しては、業容拡大に備えた用地確保を進めています。地道な研究開発を継続し、より魅力的な新原料や情報発信で、新しい商品価値の創造を目指します。
―今後の計画は。
我々をとり巻く世界情勢はコロナ終息後も露宇戦争に端を発して、不安定要素が高まり、先行き不透明な状況で、国内および欧米市場は既に飽和状態となっています。将来にわたり大きな伸びしろは見込めないため、今後はより多くの人口を抱え、成長力の高い南アジア各国、特にインド市場において、長年培ったビジネスモデルの水平展開に注力し、海外輸出比率を高めた安定経営を図ります。
