―昨年は設立60周年の年でした。

 当社は1964年4月、ボルトを製造する会社として設立し、現在は産業機械を製造しています。国内は食品製造装置・包装機械、自動倉庫を手がける企業へのサプライヤー、ベトナムでは日系、現地のメーカーに食品製造・包装の生産ラインを供給するメーカーとして成長しています。60周年を迎えられたのは過去の経営者、従業員のおかげです。キョウワに集ってくれた全ての人に感謝しています。

 ―ベトナムでの成長は目覚ましい。

 ベトナムは2012年に工場進出しました。翌年から日系メーカーの食品製造装置・包装機械の輸入販売に乗り出し、独自に複数の機械をつなげて自動化する生産ラインを製造、販売しています。07年から雇用し、日本で教育してきた日本語が話せるベトナム人技術者の存在と、販売後の保守、点検を強みに取引先を拡大しています。需要拡大を背景に昨年は既存3工場を集約して新工場を稼働しました。ベトナムでの売上高は前期の9億円から5年後には15億円を目指しています。

 ―今年注力することは。

 国内では人口減少を背景に、工場自動化の需要が急伸しています。一方、当社を含む地方の中小企業はますます採用が困難になります。利益を生むには、少ない人数で工場を回せる体制の構築が不可欠です。何万点もの部品から製品を組み立てる時間を短縮するため、進捗(しんちょく)率をディスプレーで可視化しており、カイゼン活動と人材育成で生産性を高めます。ベトナムは食品輸出の拠点でもあり、工場の自動化投資はまだまだ伸びます。一つの工程だけでなく前後の工程の自動化の提案にも注力し、売り上げ拡大を目指します。将来は本社とベトナムの法人の融合を目指しており、2月には本社社員のベトナム研修旅行も計画しています。今年は5カ年計画の初年度。着実に歩を進めていこうと考えています。