―昨年はどんな年でしたか。

 建物に使われる鉄筋・鉄骨の製作・施工を行う当社にとって、昨年は資材高騰によって建物の建設延期や設計変更が余儀なくされ、苦戦を強いられた1年でした。そうした中でも、当社は数年前から自社で製作から施工までを行う一貫体制を強化してきたことで、影響を最小限に抑えることができました。また、耐用年数が近づいた工作機械の早期発注など、リスク分散にも努めたことも功を奏し、昨年も一昨年からの売り上げ増加を維持しています。

 ―特に力を入れたことは。

 会社や業界の未来は、そこで働く人があってのこと。建設業界は休みが取りにくいイメージがありますが、それを払拭し、従業員の満足度や生産性を高めるためにワークライフバランスを重視した働き方ができる環境づくりを整えています。また、役職に女性を登用したり、高齢で技能の高い技術者の在職を促し、技術の継承と開発に取り組んでいます。

 ―大切にしていることは。

 当社が手がける製品は、建物の基礎となる重要なものであり、社会の土台を支える企業であるという誇りを持って、日々の仕事に当たっています。完成後の建物をお客さまに気持ちよく使っていただけるよう、事故のない安全な作業を行うこと、品質には妥協を許さず信念を持ってこだわることを大切にし、地域社会に貢献する企業を目指しています。

 ―今年の抱負を。

 近年、国内外でさまざまな変化が起こり、社会は大きな転換期を迎えています。その中で、変わらないもの・変わっていくものを見極め、自社内はもちろん、業界全体で助け合いの心を強めながら、変化の中でどのように生き残っていくかを考えていく年にしたいと思っています。特に、業界の未来を担う社員教育に、引き続き尽力していきます。