―2024年を振り返って。

 グローバルマザー工場として東大垣工場(大垣市浅西)に新設したプレス工場が本格稼働を開始するとともに、同敷地内に新たに金型工場が完成しました。更に北大垣工場(神戸町)では、電動車向けの熱マネジメントシステム製品拡大を目的とした新工場の建設に着手するなど、国内外で積極的な設備投資を行いました。また、モビリティ分野以外での新製品開発にも積極的に取り組み、エネルギーや水使用量などを簡単に見える化できる「エネグラフ」を上市するなど、中長期的な成長に向けた布石を打つ1年でした。

 ―今後、注力する取り組みは。

 市場環境の変化は激しく、こうした時代にはスピード感を持って変化を先取り、レジリエンスを高めることが大切です。当社では中長期経営構想“Beyond the OCEAN”と中期経営計画“NEXUS―26”をベースに、高付加価値製品の開発やサービスの提供など、電動化に向けた成長戦略に取り組み、コア技術を生かして社会課題を解決する新製品・新事業開発を強化していきます。また、気候変動や人権などのサステナビリティ課題も経営課題として捉え、社会へのプラスの価値をつくるとともに、持続的な競争力にもつなげていきたいと思います。

 ―人財戦略の取り組みは。

 当社のパーパスである「思いをこめて、あしたをつくる」とは、多様な人財が活躍し、サステナブルな「あした」のために価値をつくっていくということであり、このパーパスを経営の軸にしていきたいと考えています。従業員エンゲージメントの向上を経営目標とし、パーパスを実現する人財戦略や働きやすい職場づくりなどの取り組みを進めています。社会から必要とされる存在であり続けるため、ステークホルダーの皆さまとの信頼を醸成し、持続可能な社会の実現に貢献する企業を目指していきます。