設立当初のデトロイト岐阜県人会の参加メンバー=2009年、米国ミシガン州

 デトロイト岐阜県人会は2009年に、岐阜県出身や岐阜県にゆかりのある14人が集まり活動を開始しました。会員はミシガン州やオハイオ州北部の日系企業の駐在員や配偶者、永住者や米国人と国際結婚した方々などで、現会員数は20人です。年に数回集まり、総会という名の食事会(=飲み会)を行っています。出身地やゆかりのある地域は県内全域に広がり、多様な岐阜弁が飛び交い、かなりローカルな話題で盛り上がることもしばしばです。最近は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で集まる機会がなく寂しいです。

 ミシガン州は、アメリカ合衆国中西部に位置し、五大湖地域に含まれ、州の北と東は湖を挟んでカナダの国境に接しています。ロウアー半島とアッパー半島という二つの大きな半島で構成され、ロウアー半島はミトンの形に似ています。その小指と薬指の部分の地域は素晴らしい景観で、有数の観光地となっています。

 その内マキナック島は、自動車の乗り入れができず、島内での移動手段は馬車か自転車とユニークです。

 岐阜県とは異なり高い山はないですが、針葉樹の森と湖に恵まれています。冬の寒さは厳しく、12~2月は終日氷点下の日が続き、最低気温もマイナス20度を下回ることもあります。年末に降った雪が解けることなく残り、湖にも氷が張り、一面に銀世界が広がり、とても美しいですよ。

 また、北米における自動車産業発祥の州として知られており、フォードやゼネラルモーターズ、クライスラーというビッグ3が誕生しました。日本からも自動車に関わる企業など約500社が進出しており、それらの企業で運営するデトロイト日本商工会主催の日本祭りやソフトボール大会などのイベントを通じた地元住民との交流も盛んです。日系企業の社員や家族など在留邦人数は約1万5千人です。土曜日に日本の教科書を使って指導しているデトロイト補習授業校の児童生徒数は約750人と全米3番目の規模で、幼稚園児から高校生が参加する大運動会は圧巻です。

◆デトロイト県人会会長 丹羽筆人さん略歴

 にわ・ふでひと 岐阜市出身、60歳。高山市で生まれ、郡上八幡や瑞浪にも在住した。岐阜北高卒。1999年に渡米後、カリフォルニア州、ニュージャージー州、ミシガン州の補習授業校や学習塾の教員を歴任し、米日教育交流協議会を設立。「サマーキャンプ in ぎふ」を主催し在外子女の日本語・日本文化体験学習を推進。北米からの帰国生の日本の学校への進学サポートも実践。

▼メッセージ

 海外では岐阜では見たり聞いたりできない経験ができますし、岐阜の良さを感じることもできます。岐阜の子どもたちには、ぜひ若い時に海外生活を体験し、グローバルな社会で活躍してほしいです。