外務省の外交史料館で開催されている特別展「貴重史料から浮かび上がる吉田茂像」4月、東京都港区

 外務省の外交史料館(東京都港区)で、特別展「貴重史料から浮かび上がる吉田茂像」が31日まで開催されている。首相就任前は外交官を務めていた吉田茂元首相が、尊敬する政治家らの書簡を貼り付けたついたてや、ラジオ向けの直筆原稿を展示。書簡の並べ方からは、吉田のきちょうめんで繊細な性格がうかがえるという。

 幅、高さともに約2mのついたての両面には計17通の書簡が貼られている。西園寺公望、犬養毅、鈴木貫太郎ら歴代首相から、吉田や吉田の義父である牧野伸顕元内大臣に宛てたものが大半で、当時の交流が読み取れる。

 同館によると、吉田は政治家の書簡を自らついたてに貼って、よく眺めていたという。