トランプ米大統領(ロイター=共同)

 【ワシントン共同】超党派の米議会予算局(CBO)は4日、減税延長などトランプ大統領の看板政策を盛り込んだ法案により、今後10年間で米財政が約2兆4千億ドル(約340兆円)悪化するとの試算を発表した。法案は下院を通過したが、上院の審議で修正される可能性がある。米政権の高関税政策が10年間で2兆8千億ドルの改善をもたらすとの推計も示した。

 法案は、第1次トランプ政権が導入した2025年末が期限の所得税減税の延長を柱とする。チップ収入と残業手当への課税を28年末まで免除し、国境管理強化の支出も盛り込んだ。下院では、財政悪化を懸念する一部の共和党議員の反発を受け、低所得者向け医療保険「メディケイド」の支出削減などの修正を加えた。修正後の財政影響は公表されていなかった。

 政府効率化省を事実上率いた実業家のイーロン・マスク氏は3日のX(旧ツイッター)への投稿で「もう我慢できない。巨額で法外な、利権まみれの法案は嫌悪すべき忌まわしいものだ」と痛烈に批判していた。