トランプ米大統領(ゲッティ=共同)

 【ワシントン共同】トランプ米政権は、全米の病院に対して緊急時の人工妊娠中絶措置を義務づけた指針を撤回した。医療保険制度を管轄するメディケア・メディケイド・サービスセンターが3日、明らかにした。中絶を規制する州で緊急時に措置を受けられず、命の危険にさらされる妊婦が増える可能性がある。

 指針は、中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェード」判決を連邦最高裁が2022年に覆したことをきっかけに、バイデン前政権が策定した。危険な状況の患者に対し、緊急医療を義務づける連邦法が、各州の中絶禁止法よりも優先されることを明確に示していた。