【コロンボ共同】バングラデシュ暫定政権のユヌス首席顧問は6日のテレビ演説で、次期総選挙を来年4月前半に実施すると表明した。地元メディアが報じた。学生デモで強権的な政治を続けたハシナ前政権が崩壊した同国で、民主的な選挙を通じて新政権が円滑に発足するかどうかが今後の焦点だ。軍や一部政党は年内の実施を求めており、曲折も予想される。
ユヌス氏は「この国が独立以来の危機に陥ったのは選挙の欠陥が原因だったと記憶にとどめることが重要だ。不備のある選挙で権力が蓄積され、政党はファシストに変わり果てた」と述べた。軍などからユヌス氏が提示した日程では遅いとの反発が出る可能性もある。
バングラデシュでは昨年8月、学生デモの激化で当時のハシナ首相が辞任に追い込まれ、インドに逃亡した。ノーベル平和賞受賞者のユヌス氏率いる暫定政権が正式な政権が成立するまで国の運営を担い、選挙制度などの改革を進めている。
ハシナ氏の政権与党だったアワミ連盟(AL)は暫定政権に全ての活動を禁じられ、選挙に参加できないとみられる。