【オスロ共同】昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の和田征子事務局次長(81)=横浜市=は5日、訪問先のノルウェー・オスロで「被爆者に共感し、何か行動を始めてほしい」と訴えた。オスロのノーベル平和センターが被爆80年に合わせて6日に開催する平和会議で講演するのを前に、共同通信の単独インタビューに応じた。
和田さんは1歳の時に長崎で被爆。当時の記憶はないが、母親から伝え聞いた話を証言している。英語が堪能で海外で活動する機会が多く、3月にも核兵器禁止条約の締約国会議が開かれたニューヨークで講演した。
活動の原動力は「核兵器は絶対的な悪で、人を救うことはできない」という信念だ。「世界は核使用の瀬戸際にいて、車輪の半分が落ちかけている」と世界各地で戦闘が続く不確実な現状を懸念。ブレーキをかけられるのは「市民の力だ。声を上げ続けなければならない」と訴えた。
6日の講演では「(被爆の実相を)知ってもらい、『気の毒だ』じゃなく、自分に何ができるかを考えてほしい」と話した。