大阪府と大阪市は6日、市の人工島・夢洲への新たなアクセス鉄道として検討される2ルートを比較した結果、既設のJR桜島線と京阪中之島線を延伸する案が優位だったと発表した。試算によると、事業費は計約3510億円。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の2030年開業を控え、事業者との検討を本格化させる。
いずれも大阪市にあるJR桜島駅と大阪メトロ夢洲駅、京阪中之島駅と大阪メトロ九条駅をつなぐルート。コストとメリットの分析や、新幹線の通るJR新大阪駅との接続を有識者らが比較し、国の審議会で答申された京阪中之島駅から夢洲を新たな路線で直接つなぐルートを上回った。
夢洲に乗り入れる現行路線は「南ルート」の大阪メトロ中央線のみ。桜島線延伸で「北ルート」が開通すれば、乗り換えが2回必要だった新大阪駅と直結し、所要時間は9分短縮される。
中之島線延伸では京都方面からのアクセス向上が見込まれる。京阪祇園四条駅(京都市)から夢洲まで乗り換え1回で来られるようになり、約11分の短縮を見込む。