奈良市の東大寺で7日朝、本尊の国宝・盧舎那仏(大仏)のほこりを隅々まで払う「お身拭い」があった。夏の恒例行事で、1年分の全身のほこりが落とされ、本来の黒い輝きを取り戻した。
僧侶や関係者ら約170人が早朝から湯屋で身を清め、白装束に身を包んで準備。大仏の魂を抜く法要「撥遣」や読経の後、天井からつるしたゴンドラに乗り、高さが約15メートルある大仏の顔や肩に積もったほこりを丁寧に払った。大仏殿の床や中門も清掃した。
大阪市から見物に訪れた自営業小名木裕之さん(53)は大仏を見上げ「天井からゴンドラをつるして掃除をしている光景は珍しい」と話した。