第107回全国高校野球選手権大会に参加している広陵(広島)の堀正和校長が10日、兵庫県西宮市で取材に応じ、出場を辞退すると表明した。部内暴力に関する情報が交流サイト(SNS)で拡散して生徒らへの中傷が激しくなっており、「大会運営に大きな支障を来している。生徒、教職員、地域の方の人命を守ることが最優先と考えて判断した」と説明した。
9日に辞退を決め、選手は10日午前に宿舎から広島に向かった。不祥事による開幕後の辞退は大会史上初。取材に応じた日本高野連の宝馨会長は「真相究明を続け、誰もが納得する形で解決することを願っている」と述べた。
1月に上級生が寮で頬をたたくなどの暴力事案があり、高野連が3月に厳重注意。これが大会直前にSNSなどで拡散した。監督らから暴力などを受けたとするものなど、他の情報も取り上げられ始め、広陵関係者への中傷や寮の爆破予告などがあったという。
同校によると1月の件は被害者が警察に被害届を出して捜査が行われている。また、元部員から新たに被害の訴えがあった別の事案については第三者委員会で調査中。