日航ジャンボ機墜落事故から40年となるのを前に、「御巣鷹の尾根」の麓を流れる神流川に灯籠を流す人たち=11日夕、群馬県上野村

 乗客乗員520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故から12日で40年となるのを前に、墜落現場となった「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)の麓を流れる神流川で11日夕、遺族らが犠牲者を悼み、空の安全を祈る灯籠流しを営んだ。

 小雨が降る中、住民や日航社員らも参加し「見守っていてください」「41年目、笑顔で生きてみます」とメッセージを書いた灯籠約200個が川面に浮かべられた。アコーディオンの演奏が響く中、集まった人々は、ほのかな光とともに流れる灯籠を静かに見つめ、手を合わせた。

 午後6時半ごろ、全員で黙とうした。黒沢八郎村長は「慰霊の場で、安全を考えるよりどころである御巣鷹の尾根を今後も守っていく」とあいさつ。事故で父孝之さん=当時(29)=を亡くした兵庫県芦屋市の会社員小沢秀明さん(39)は「安全は積み重ねていくもので、灯籠流しを次世代へつなげたい」と誓った。

 遺族らでつくる「8・12連絡会」が主催し、上野村、日航も運営に携わった。