「戦争に家族を分断された」と語る古川秀昭さん=10日午後、岐阜市芥見南山、芥見キリスト教会

◆「真珠湾の過ち認めて」虚突かれ

 元県美術館長の古川秀昭さん(81)は1944年夏、満州・奉天(現中国・瀋陽)で生まれた。終戦を迎えた時はまだ1歳。家族は暮らしの全てを失い、命からがら引き揚げた。戦争に翻弄(ほんろう)された日々は「家族を分断した」と今も感じている。

 父は満鉄社員。中国人の家政婦を雇うなど「それなりにいい生活をしていたようだ」。ところが45年8月、ソ連軍の侵攻と敗戦で家族の暮らしは一変する。財産を全て失った家族は、...