【ジュネーブ共同】アフリカの保健や福祉の向上に貢献した人や団体を日本政府がたたえる第5回「野口英世アフリカ賞」が22日、非営利組織「顧みられない病気の新薬開発イニシアチブ(DNDi)」(本部スイス)に贈られる。
授賞理由は熱帯病の「アフリカ睡眠病」の治療薬開発など。この病気はアフリカ固有のツェツェバエが媒介する感染症で、治療しなければ死に至る。DNDiは安全な飲み薬を開発した。
DNDiは2003年、国境なき医師団(MSF)などが設立した。途上国で貧困層が苦しむ病気への医薬品開発が進まないことが背景にあった。
DNDiは、弱い立場の人の健康や生活を脅かし、適切な薬がない病気を顧みられない病気と呼ぶ。WHOによると、20種類以上の「顧みられない熱帯病」の治療や予防が必要な人は、世界で約15億人に上る。
野口英世アフリカ賞は、黄熱病研究に尽力しガーナで死去した野口英世博士にちなみ日本が創設。賞金1億円。今回、マラリア治療に貢献したマリのアブドゥライ・ジムデ博士にも授与される。