◆岐阜空襲、義母の手記を絵本に
戦後80年のいまを生きる美術家は、戦禍とどう向き合うべきか-。岐阜市の造形作家・小澤紀代美さん(69)は、その問いに対して、義母の残した言葉を手がかりとした作品を生み出した。今年3月に他界した義母・智子(ともこ)さん(旧姓尾関)が岐阜空襲について書いた手記に絵を添え、絵本作品「岐阜空襲」を制作。「絵本は私の作品というより、義母(はは)の作品。平和について考え、作品にする機会を与えてくれた義母に感謝したい」と語る。
智子さんは1945年7月9日、岐阜高等女学校(現岐阜高校)の女学生だった15歳の頃に岐阜空襲を経験。原稿用紙数枚につづった。
「壕(ごう)の中の人達は『あつい』『あつい』とうめくように言い合った」...