2023年12月9日、息子の明浩は、岐阜県主催の将棋普及イベント「清流の国ぎふ将棋フェスタ」で、同郷の先輩である宮嶋健太四段と公開対局をしました。私は仕事で見に行けなかったのですが、岐阜新聞で詳細な解説記事がありましたので、対局の様子はよく分かりました。
息子は後手番ながら、積極的な差し回しをしたそうです。序盤から端の「歩」を進めて位を取り、プロでも指しこなすのが難しい「菅井流三間飛車」を採用し、宮嶋四段は王道の居飛車で対抗。最後まで勝敗が分からない、息をのむ展開となったとのことでした。
後日、息子から、その日はイベントだから普段は指さない面白い戦法を採用したと聞き、現地で楽しめなかったことを一層残念に思いました。
息子のプロ入りまでは、岐阜県在住のプロ棋士が誰もいなかったことを思うと、わずか2年半で2人の棋士が誕生し、県庁で公開対局が行われたことは、奇跡的なことのように感じます。
息子が将棋を始めた頃は、岐阜で将棋をする子どもたちにとって、プロ棋士や奨励会は遠い存在でした。しかし今では、県内のさまざまなイベントで、彼らの姿を見たり、指導を受けたりできる機会があるので、プロ棋士も身近な存在になったと思います。
岐阜県から奨励会に入会する子も、以前は珍しかったのですが、今はそうでもなくなりました。私はきっと、また近いうちに岐阜県からプロ棋士が誕生するのでは、という期待を持っています。
翌年の2月には、NHK杯の予選がありました。NHK杯の本戦に出場するには、予選トーナメントで3連勝する必要があります。これは、かなりの難関です。
NHK杯予選は非公開のため、内容は分かりませんが、息子は2年続けて決勝で敗退しました。地上波で放送される機会はなかなかないので、地元では息子の出場を心待ちにしている方が多く、私も非常に残念でした。
NHK杯には、年間の成績優秀者が予選免除される規定もあります。息子は23年、37勝12敗、勝率7割5分という好成績を挙げたのですが、その年は、優秀な成績を挙げた方が多かったため、ぎりぎりのところでそれも逃しました。
24年4月には、「NHK杯予選!強豪若手二人に注目」(高田明浩棋士、斎藤明日斗棋士に注目。明暗を分けた二人のNHK杯予選を紹介する)という番組が放送されました。その後、たくさんの方から「惜しかったね」とLINEがあり、改めて、皆さんの応援のありがたさを感じました。
(「文聞分」主宰・高田浩史)










