岐阜市役所旧本庁舎前の鵜の銅像=岐阜市今沢町

 岐阜市役所旧本庁舎(同市今沢町)のシンボルとして長年親しまれてきた鵜の銅像が、長良川うかいミュージアム(同市長良)に移設されることになった。千葉県の彫刻家、大須賀力(つとむ)さん(1906~2009年)が制作した作品で、昨年7月に閉庁した後も行き先が決まっていなかった。ミュージアムの林芳枝館長は「観光客や地元で愛される新たなシンボルにしたい」と話している。

 鵜像は旧本庁舎前の噴水に、1966年2月の開庁に合わせて設置された。高さ1メートル、幅1・6メートルで、大きく羽根を広げている存在感ある姿が来庁者を出迎え、半世紀以上にわたって長良川鵜飼をPRし続けた。市によると、大須賀さんは市出身の日本画家・加藤栄三さん(1906~72年)の東京美術学校(現・東京芸術大)時代の同級生。加藤さんが大須賀さんを市に紹介した縁で制作したという。

 66年1月30日付の岐阜日日新聞(現・岐阜新聞)によると、大須賀さんは制作のために市を6回も訪れ、当時鵜匠だった杉山要太郎さん方で鵜の写真を撮ったり、スケッチしたりして研究した。記事では「一羽の像なので思い切り羽根を広げて力強さを表現し、躍進する岐阜市の姿を示した」と報じている。大須賀さんは当時の取材に「苦心したが、満足できる出来栄えです」と語っている。

 ミュージアムは、荒天で鵜飼が開かれない日やシーズンオフにも、観光客に鵜飼文化を伝える重要な拠点。鵜像は新たな“安住の地”でPRを再スタートさせる。開館10周年イベントが催される8月までには移設する予定。