秋風ジュニアを大差勝ちしたギフノオウマサンと塚本征吾騎手

 ド派手な流星でド派手な大差勝ち。「これは強いぞ」。その名も笠松生え抜き「ギフノオウマサン」。地元ファン期待の若駒が圧勝劇でデビューから3連勝。鞍上のジョッキーをも驚かせる桁外れのパフォーマンスを見せ、ラスト100メートルは軽く流してのゴールインとなった。

 笠松2歳準重賞「第51回秋風ジュニア」(1400メートル、JRA認定競走)は地元デビュー馬限定戦。勝ち馬にはオグリキャップ、ライデンリーダー、フジノテンビーらが名を連ね、かつては中央挑戦への登竜門でもあった。「今年こそ出世街道を歩むスターホースに育ってほしい」と願うファンも多い名物レースである。

縦長の派手な流星もチャームポイントのギフノオウマサン

 ギフノオウマサン(牡2歳、加藤幸保厩舎)には初戦の800メートル戦に続いて塚本征吾騎手が好騎乗。1400メートルに距離が延びても快速ぶりを発揮。「笠松の新星」としてネクストスター笠松Ⅴを視界に入れ、一戦ごとに成長した姿を見せている。ギフノオウマサンの見た目の特徴は、顔の中央にある縦長の白い流星(額から鼻筋にかかる白い模様)がとても派手でチャーミング。また「脚元のソックス(白い毛)を4足のうち1足履き忘れちゃった」みたいなかわいらしさもあり「隠れた魅力」としても注目を浴びつつある。

返し馬で気合乗り上々のギフノオウマサン。ソックス(白い毛)を1足履き忘れちゃったような脚元にも注目

 ■後続を大きく引き離し、馬なりでゴールイン

 中1週で挑み、スタートダッシュを決めたギフノオウマサン。先陣争いを制するとスイスイと軽快な逃げ。3~4コーナーで一気に差を広げて、最後の直線では塚本騎手がムチを2、3発入れると独走状態。ラスト100で後ろを振り返り、後続を大きく引き離していることを確認。あとは追わずに馬なりで大差のゴールイン。父インカンテーション、母ミモザゴール、母父ルーラーシップという血統。

 タイムは1分32秒1と平凡だったが、まともに走ったらかなり詰められそう。2着争いは2秒2差で4番人気トレノ(牝 2 、後藤佑耶厩舎)が突っ込んだ。調教中のけがで1開催休んだ明星晴大騎手が復帰し、元気な姿を見せてくれた。昨年、ヨサリで勝った笹野博司厩舎は2頭出し。2番人気ベアケイは5着、4番人気レジーナカズも3着どまりだった。

秋風ジュニア制覇の歓喜に浸り、にこやかな塚本騎手

 ■塚本征吾騎手「競馬をしやすい馬、連勝していく」

 ネクストスター笠松トライアルを制した塚本騎手は「強かったです。馬体もしっかりし成長している。スタートがすごくいいし、競馬をしやすいところがセールスポイント。連勝していくと思います」と愛馬の頑張りをたたえた。

 名前の通り「岐阜を、そして笠松を代表する馬に」と期待するファンも多いという。塚本騎手は「名古屋の騎手ですが、勝って良かったです。これからもギフノオウマサンの応援をお願いします」とにこやかにファンに呼び掛けた。

後続を大きく引き離して一人旅でゴールを目指すギフノオウマサン

 塚本征吾騎手はデビューから5年でまだ22歳。今年は地方通算210勝(8月28日現在)と勝利を量産。名古屋では133勝を挙げ、望月洵輝騎手を抜いてトップに立った。笠松では71勝で3位。全国リーディングでも笹川翼騎手(大井)に続く2位につけて、このペースなら今年は300勝超えも十分に狙える勢い。昨年末の笠松・東海ゴールドカップをヒストリーメイカーで制覇。今年は佐賀・ゴールドスプリント、佐賀ヴィーナスカップ、兼六園スプリントを勝って他場での活躍も目立っている。

 ■望月騎手は20歳の誕生日に門別で3連勝

 7月末に地方競馬史上最速で通算500勝を達成した望月騎手は「新天地で頑張ります」と北海道で期間限定騎乗中(9月10日まで)。8月27日は20歳の誕生日だったが、門別のレースで4、5、8Rと騎乗機会3連勝を飾り、節目の日をバースデー勝利で自ら祝った。

 今年118勝で笠松リーディングを突っ走る渡辺竜也騎手と共に「東海の顔」として全国でも活躍する塚本、望月騎手。20代トリオの躍進は目覚ましく、将来的には「南関突破」を果たして、全国リーディングも狙える成長ぶりを見せている。

秋風ジュニアⅤの表彰を受けた塚本騎手と加藤幸保調教師

 ■加藤調教師「こんなに走ってくれるとは、ネクストスター笠松直行」

 ギフノオウマサンは馬名の親しみやすさもあって、デビュー前の能力審査の段階から注目していた一頭。本番では4馬身、9馬身そして大差で勝ち、笠松ファンの夢も広がる逸材。管理する加藤幸保調教師は次走について「ネクストスター笠松直行になる感じ」と手応え十分。今回は「前走と状態は変わらず、調教では目いっぱい追わずに仕上げたが、スタートはいいし満足できる走りを見せてくれた」。今後については「(位置取りを)下げたとき、どうかというのはあるが、最初からこんなに走ってくれるとは。無事にいってほしいです」と期待を込めた。成長分を見込めば、地元馬限定のネクストスター笠松は通過点にもなりそうだ。

優勝馬ギフノオウマサンを囲み、喜びの関係者

 ■「岐阜のお馬さん」として全国区の舞台で快速ぶりを

 ギフノオウマサンの追い切りに騎乗してきたのはベテラン高木健騎手。パワフルなフットワークで乗り味も良く、ポテンシャルの高さを評価。手綱を託された塚本騎手をびっくりさせた独走Ⅴ。最後の直線では「結構大トビですが、あんなに離しているとは思わなかった。馬が行く気だったんで、リズム良く競馬ができた。大差なんでまだ課題といえるものはないです。乗りやすい馬なんで、これから底力をつけてくれたらいい」と1戦ごとの成長を期待。順調ならネクストスター笠松、ネクストスター中日本、兵庫チャンピオンシップへと続くスターホース街道へ一直線。「岐阜のお馬さん」として全国区の舞台で快速ぶりを発揮しその名をアピールしていきたい。

「ラチ沿いの天使」スティルアイライズのごあいさつを受け、間近で応援するファンたち

 ■「ラチ沿いの天使」まめちゃん、最高のファンサービス

 オグリの里のサマーイベント第2回「笠松で走った!アイドルホース選手権」で優勝を飾った愛称・まめちゃんのスティルアイライズ(牝3歳、川嶋弘吉厩舎)。中1週で今シリーズ最終日1Rに夏バテもなく元気良く、プラス1キロの436キロで登場した。

 単勝4番人気。この日の返し馬でもかわいい「ラチ沿いの天使」ぶりを発揮。カメラやスマホを手にした「まめちゃん推し」たちの熱い視線を浴びながら、しっかりとファンに顔を向けてごあいさつ。アイドルホースとしての風格も漂う最高のファンサービスでラチ沿いのみんなを喜ばせた。

返し馬で2コーナー近くのスタート地点に向かうスティルアイライズと松本一心騎手を見守るファンたち

 ■相手強化で苦戦、無事完走してくれたことが一番

 前走に続いて800メートル戦(3歳11組)。1番枠からスタートは良かったが、相手はJRAからの転入馬ばかり6頭で厳しい戦い。「前走も最後は止まってしまった。メンバー強化では」と陣営も苦戦を覚悟。

 後ろから2番手で3~4コーナーを回ると「掲示板入り」を目指して直線勝負。インから追い上げる姿勢を見せたが、最後は伸びきれずに7着に終わった。明星騎手騎乗の勝ち馬ビーストウォーズが48秒8と好タイム。スティルアイライズは51秒9で7着に終わったが、まずは無事完走してくれたことが一番である。

800メートル戦、7着でゴールしたスティルアイライズ

 ■アイドルホース選手権Ⅴ「アオラキ君に勝つとは思わなかった」

 今回も駆け付けたまめちゃんファンたち。アイドルホース選手権では現地組として2票ずつ投票するなど、スティルアイライズの票を伸ばすことに貢献。優勝したことについては「アオラキ君に勝つとは思わなかった。応援して投票していただいてありがたいことです」とサポートに感謝していた。

 今回のレースでも一瞬「掲示板あるかも」と夢を見たが「歴史的瞬間は次回に持ち越しです。また来て応援頑張ります」と希望の光が差し込むことを信じて声援を送り続けていく。この暑い夏を乗り切って、古馬クラスに編入される10月になればいいことがあるかも。アイドルホース選手権優勝の次は掲示板、そして1着ゴールだ。けがなく頑張れ、まめちゃん。
 


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 ☆最新刊「オグリの里5青春編」も好評発売中

 「1聖地編」「2新風編」「3熱狂編」「4挑戦編」に続く第5弾「青春編」では、笠松競馬場などでの「砂上の格闘技」で完全燃焼した人馬たちへの惜別の思いも込めた。巻頭はシンデレラグレイ賞&トークショーでのウマ娘ファンの熱狂ぶり、続いて日本競馬界最大のヒーローであるオグリキャップ、アオラキ&ハルオーブ、ストーミーワンダー、ハマちゃんなどを特集。

 林秀行(ハヤヒデ)著、A5判カラー、182ページ、1500円(税込み)。岐阜新聞社発行。ふらっと笠松(名鉄笠松駅)、笠松町歴史未来館、ホース・ファクトリー(ネットショップ)、酒の浪漫亭(同)、岐阜市内・近郊の書店、岐阜新聞社出版室などで発売。岐阜県笠松町のふるさと納税・返礼品。