少子高齢化が進み、労働人口が減少することが予想される中、企業が従業員の健康増進に積極的に取り組むことで、生産性の向上やイメージアップにつなげる「健康経営」が注目を集めています。

 岐阜新聞社では、岐阜県や岐阜労働局、県商工会議所連合会、全国健康保険協会(協会けんぽ)岐阜支部などと協力して「ぎふ健康づくり応援プロジェクト~健康経営のすすめ~」を展開します。

 初回は、県健康福祉部長の堀裕行氏に、本県の健康課題や改善策、健康経営の重要性などについて聞きました。

2021年6月28日 掲載

まずは「健康経営宣言」をしよう

岐阜県健康福祉部長 堀 裕行氏

岐阜県民の健康課題は?
 人生100年時代と言われていますが、県民が健康で自立して過ごせる期間(健康寿命)は、平均寿命より男性で8.11年、女性で11.17年短くなっています(図)。この差を縮め、健康寿命を延伸させるため、県では、「第3次ヘルスプランぎふ21(平成30~令和5年度)」に基づき健康づくりを推進しています。

 昨年度に実施した中間評価では、虚血性心疾患や脳血管疾患、がんによる死亡率は減少していますが、メタボリックシンドロームや糖尿病の人やその予備群の割合、塩分摂取量や週1回以上の運動を行う人の割合、喫煙率などで改善が見られていない状況です。
 

改善への取り組みは?
 県民一人ひとりに健康に関心を持っていただき、健康づくりに取り組んでいただけるよう、平成30年度から「清流の国ぎふ健康づくり事業」として、県民の自主的な健康づくりにインセンティブを提供する「健康ポイント事業」や、野菜摂取の増加を目指す「野菜ファーストプロジェクト」、さらに、働き盛り世代の健康づくりを促す「健康経営推進事業」などに取り組んでいますが、今後もその取り組みを充実、発展させていく必要があります。
 

健康経営推進の取り組みと現状は?
 職場における健康づくりを支援する「健康経営推進事業」は、企業に従業員の健康づくりに取り組む表明として「健康経営宣言」を行っていただき、県は健康セミナーの開催や健康情報の提供などの支援を行うもので、419社に登録いただいています(6月18日現在)。

 さらに、令和元年度からは、特定健診などの受診率向上や優れた取り組みを行う企業を「健康経営優良企業」として表彰しており、これまでに表彰された10社の取り組みを冊子やホームページなどで広く紹介し、県内企業の取り組みを促しています。
 

コロナ禍で企業が従業員の健康を守るためにすべきことは?
 コロナ禍において、在宅勤務の増加による従業員の心身の健康管理の難しさやコミュニケーション不足、また、外出自粛による運動不足や体重増加などが危惧されます。このため、従業員の心身の健康管理を進めていただくためのオンライン面談の活用や、運動や栄養に関する講座の開催など、各企業の課題に合わせた取り組みを進めていただくことが重要です。
 

健康経営の重要性は?
 従業員が健康で活躍できる環境の整備は、従業員の活力や生産性の向上など組織の活性化をもたらし、結果的に離職率の低減や優秀な人材の確保、企業の業績や知名度の向上につながることが期待されています。

 多くの企業において、「清流の国ぎふ健康経営推進事業」を活用いただき、健康経営に取り組んでいただくことをお願いいたします。



わたしたちはぎふ健康づくり応援プロジェクトに参画しています