岐阜県可児郡御嵩町の中山道沿いにあり、修復整備された謡坂石畳が当時の風情を色濃く残しています。由来は「この辺りの上り坂が急なため、旅人たちが歌って苦しさを紛らわせたことが転じた」とされています。

 歌川広重の浮世絵「木曽海道六拾九次之内 御嶽」のモデルになったと推定される場所や、旅人の喉を潤した「一呑(ひとのみ)の清水」や「唄清水」、休憩場所だったとされる「十本木立場(たてば)」など、街道ならではの場所や史跡が多くあります。

 1981(昭和56)年には、供養塔の移転に伴う道路工事中に十字架を彫った自然石が偶然発掘され、キリシタン遺跡であることが分かりました。現在は街道近くに聖母マリア像が建立されています。町観光協会は「こうした例は全国でも非常に珍しく広く話題を呼び、遠くから多くの人が来訪された」などと案内しています。

(『角川日本地名大辞典』などを参照)

【答え】 うとうざか