「走行注意」「交差点に注意」。車を運転していると、あちこちでこういった標識を見付けます。かつて人々が歩いて移動することが多かった時代も同じ。「坂祝」は「坂に注意」という意味だったとされています。「ほき」は「歩危」で、好字の「祝」が充てられたのです。

 県地名文化研究会「岐阜県おもしろ地名考」によると「歩危」を表す「ほき」や「ほけ」がある地名は全国に62カ所。徳島県の大歩危(おおぼけ)、小歩危(こぼけ)は有名です。

 他にも岐阜県内には複数の「ホキ地名」があります。本巣市佐原の歩危坂(ほきざか)は坂祝と同義とみられます。美濃市の長良川沿いにある保木脇(ほきわき)は、川で木材を保留していたため「歩危」に「保木」の字が充てられたとみられます。また、ユニークな所では旧藤橋村(揖斐郡揖斐川町)に牛の転落を示したという字(あざ)「牛ほっけ」があるということです。

【答え】さかほぎちょう