岐阜県中津川市の恵那山を源流とする、ともに約4キロの川です。合流して湯舟沢川と名前を変えます。まるで湯加減のいい風呂を連想させる河川名です。

 両川は本当に温かい水と冷たい水なのでしょうか。約1年半にわたって水温や水質を調査した研究会誌を見つけました。

 会誌によると、河川名の字義通りの水温差があるのは夏季で、冷川の方が温川より1~2度ほど冷たい一方、冬季は温川の方が冷たい逆転現象が起きていました。温川は、流域降水の地下浸透が冷川より浅いため気温変化の影響を受けやすく、1年を通じて変動幅が大きくなるようです。

 川の水に触れる機会は夏の方が多いため、河川名が水温の差からきているのは間違いなさそうです。なお、温川は資料によって「ぬく川」や「ぬるた川」などと示されており、読み方にも幅がありました。

(「名古屋経済大学・市邨学園短期大学自然科学研究会会誌第34巻第1号」を参照)

【答え】ぬるかわ、つめたがわ